2019年の映画ベスト10を選んでみる
今年はあまり新作映画は観てないのだが、2019の中からベスト10をひねり出し、簡単にコメントとともにまとめて振り返ってみる。最後にちょっと総括的なコメントも。
10位:マイル22
罵詈雑言の見本市のような映画。マシンガンのように発せられる罵声と字幕を観て、翻訳者に畏敬の念を感じずにはいられない。アクションも普通に迫力あって面白かったが、中身はあまりない。
9位:バンブルビー
バンブルビーがとてもかわいい。子犬のような純粋さと厳ついメカデザインのアンバランスさが何とも言えない魅力を醸し出している。主人公の女の子とクラスメートの男の子の関係も良い感じに青春してて「若いっていいね」と思わず呟きそうになった映画。
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8位:アクアマン
とにかくCGがすごい。この作品も中身はあんまりないけど、そもそもマーベル作品に説教臭さは求めてない。豪華絢爛な海中バトルに存分に酔いしれることができた作品。ちなみにNetflixの配信で観たけど、これは劇場で観たかった…。
7位:アラジン
ウィル・スミスが全力で悪ふざけする映画。ひと昔前だったら「ウィル・スミスのアラジン」とかいうダサい邦題をつけられてもおかしくないレベル。ミュージカルパートも非常に楽しくゴージャスで、家族で楽しめる映画。
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6位:アドアストラ
独特の冷たい雰囲気で淡々と物語が進んでいく感じが好き。消えたはずの宇宙船を探しに深宇宙をどんどん進んて行くストーリー展開も個人的な好みにハマった一作。
5位:ジョーカー
フォアキン・フェニックスのいかれた演技がまぶたに焼き付いて離れない作品。こういうのを「怪演」っていうんだろうな。階段で踊るジョーカーのマネをする人が忘年会で続出したとかしないとか(多分してない)。
4位:ファーストマン
実話をベースにした話ってロマンがあって良い。おまけに宇宙とか大好きだからとても楽しめた。映像美はもちろんだが、特筆すべきは音作り。宇宙空間の迫力ある「無音」に圧倒される。思わずポップコーンを探る手を止めざるをえないほど、静まり返った映画館を体験することができたのは新鮮だった。
3位:アイリッシュマン
ロバート・デニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシのいぶし銀トリオの演技がひたすらに渋い。渋すぎる。おまけに監督マーティン・スコセッシだしつまらないわけがない。ヒットマンとして活躍した全盛期から哀愁漂う老後まで、まさに一人の男の「人生」を体当たりで描いた映画。
2位:ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
私は好きな監督ってあまりいないんだけど、タランティーノだけは昔から好き。独特のセンスのセリフ回しがとてもカッコよかったし、全編に哀愁が漂ってて非常に好きな雰囲気の映画だった。「俺はもう酒は飲まない!」と言いながらウイスキーあおって発狂したシーンで爆笑した。そしてラストのジェットコースター感が最高。
【映画】ユーモアと哀愁とスリル、そしてタランティーノ節全開! – 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド Once Upon a Time in Hollywood(2019)」
1位:グリーンブック
涙腺が固く閉ざされた私が、ついついウルっと来てしまった映画。「人種も立場も貧富の違いも乗りこえられるさ、人間だもの」という強烈なメッセージを、押しつけがましくなく爽やかに描き出した作品。観終わった後に思わず余韻に浸ってしまう映画だった。
今年は何よりNetflixの力を感じた1年
実は今年は劇場にはあまり足を運ばず、家でNetflixで映画を観る時間が多かった。新作や過去の話題作が豊富にあるのももちろん良いが、有名監督やハリウッドスターをそろえてオリジナル作品をつくりまくってる戦略がエグい。
配信サービスで得たお金でコンテンツをつくって、また客を増やすというビジネスモデルが確立されていて、これが新しい時代の映画の届け方なのかな~なんて思ったりもする。正直「Roma」や「アイリッシュマン」など、劇場メインではなく配信メインで大作がジャンジャンでてきて、アカデミー賞まで取っちゃうような時代は想像していなかった(アイリッシュマンはまだとってないけど多分取るでしょう…)。
とはいえやっぱり劇場で映画を観る時のワクワク感や、大迫力のスクリーン、劇場で食べるポップコーンのうまさは色あせていないので、来年も気になる作品は足を運んで映画館で観たい。
ちなみに、これが今年最後の記事になると思う。来年も一年よろしくお願いします。