【本の感想】「夜のピクニック 恩田陸」- 高校最後の大イベントの裏で動き出す少年少女の関係

投稿日:2020年6月9日
最終更新日:2020年6月9日

評価: 8点/10点満点 ★★★★★★★★☆☆

夜のピクニック(新潮文庫)

※結末についてはっきりとしたネタバレはありませんが、作中のいくつかのシーンに触れています

概要/あらすじ

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために――。学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。(Amazon紹介文より)

 

レビュー

ひたすら歩くだけなのに面白い!

ストーリーはいたってシンプルで、少年少女がひたすらゴールを母校を目指して夜通し歩くだけ。それだけなのに、とても面白い。それぞれのキャラクターに個性があって、それぞれの思惑や事情があって、それが複雑に絡み合っていく展開は先が気になり、どんどんページをめくってしまう。

やたらうるさい男子や打算的な女子など本当に色々な面々が出てくるので「あ~、いたいたこんな奴」と自分の学生時代と重ね合わせてノスタルジックな気持ちにひたることもできる。個性を出すためか、ちょっとセリフがわざとらしく感じた部分もあるけど。

 

メロドラマみたいな設定だけど安っぽさは無し

ストーリーの核ともいえる西脇融と甲田貴子の関係は序盤で明らかになる。最初はちょっと古臭いメロドラマみたいな設定だなぁと思ったけど、2人のみずみずしくも複雑な感情が丁寧に描写されており、全然安っぽさは感じない。

誰もが感じたことのある思春期のごちゃごちゃした感情を思い出して、自分も一緒に登場人物たちと歩いているような感覚を味わうことができた。

大事件が起きるわけでもないし、ハラハラドキドキするシーンも無いので人によっては退屈してしまうかもしれないが、全体を通して爽やかさを感じられる素敵な青春小説だった。

2+

投稿者: wakky

映画と旅行が大好きなエンジニア。お酒、ゲーム、読書も好き。

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