満足度: 9点/10点満点 ★★★★★★★★★☆
レビュー
ネタバレには気をつけていますが、あらすじなどは書いているので「一切内容は知りたくない!」という方はご注意ください
孤島の研究所で起きた不可解な密室殺人
とある孤島にゼミ旅行でやってきた大学助教授の犀川創平(さいかわそうへい)と女子学生・西之園萌絵(にしのそのもえ)。この孤島の研究所で外界と完全に隔離された生活を送る天才博士・真賀田四季(まがたしき)。研究所を訪ねた犀川と西之園だったが、真賀田博士の部屋からウエディング・ドレスをまとって両手両足を切断された死体が現れる。犀川と西之園は不可解な密室殺人事件の解明に挑む…というお話。
最近ミステリー小説にハマっていることは以前も書いたが、この本についてもネットでオススメのミステリー小説を調べると、必ずと言ってよいほど紹介されていたので購入。
結論から言うと、期待を裏切らない面白さのミステリー小説だった。
予想外の展開で驚きの連続
タイトルの「すべてがFになる」の意味が分かったときにも「そういうことか!」という驚きがあったが、そのあとも予想だにしていなかった展開の連続で、終始驚きっぱなしだった。
巻末の瀬名さんの解説にも書かれている通り、個性的な登場人物たちの思考にスポットを当てた描写も面白く、傑作としてあげられるのも納得の内容だった。
ちなみに、情報工学やプログラミング的な話が多く出てくるので、多少は知識があった方が理解はしやすいかもしれない。ただ、登場人物の西之園が、知識が無い読者が抱くであろう疑問点を犀川に質問してくれるので、専門知識が無くても十分楽しめると思う。
ちなみに、この本の主人公である犀川と西之園のシリーズはこの作品を含めて10本あり、巻末の解説曰く最後の本を読んだときに「度肝を抜かれる」らしいので、少しずつ他のシリーズの本も読み進めてみたい。