満足度: 8点/10点満点 ★★★★★★★★☆☆
ネタバレには気をつけていますが、あらすじなどは書いているので「一切内容は知りたくない!」という方はご注意ください
レビュー
館シリーズの第二作目。先日、一作目である「十角館の殺人」を読んで非常に面白かったので、二作目も買ってみた。
過去に惨劇が起きた巨大な水車がある古城風の館、不気味なマスクをかぶった車椅子の男、館に幽閉された美しい少女…。舞台と設定からして不穏な空気が漂ってくる。この館の主の父が残した絵を見るために来客たちが訪れた時、再び惨劇が繰り返される…というストーリーになっている。
あとがきで作者も書いているように「いかにも」な推理小説なのだが、狙って書いただけあって突拍子な展開がない、推理のしがいがある骨太なミステリー小説という印象。
この本のトリックの一部については読んでる間に予想がついたが、事件の全貌が明かされた時には「なるほどなぁ~」と思わず声が出てしまったし、ラストも作品の雰囲気にあった締め方で良かった。
十角館の殺人ほどの衝撃は無かったが、ミステリー小説の醍醐味を楽しめる作品だった。館シリーズにすっかりはまってしまったので、続編もどんどん読んでいきたいと思う。