【生活】ひとを嫌いになることを恐れるな -「ひとを〈嫌う〉ということ」

投稿日:2018年11月12日
最終更新日:2018年12月9日

満足度: 8点/10点満点 ★★★★★★★★☆☆

ひとを“嫌う”ということ (角川文庫)

概要/あらすじ

哲学者でもある著者が、人を「嫌う」ということについて徹底的に考察した本。誰かを「好きになる」ことと同じように、誰かを「嫌いになる」ということも自然なことである、という切り口で人生を豊かにする考え方が提案されている。

 

感想

タイトルに惹かれて読んでみた本。家族との不和や、ひきこもりの体験など、著者の壮絶な人生を挙げつつ人を「嫌う」ということを語っていて、非常に説得力がある。また、人を好きになることと同じように、人を嫌いになるということも自然である、という切り口は新鮮だった。「誰かを嫌いになってはいけない」という風潮がある中で、それに縛られ過ぎると、人を嫌いになったときに自分が苦しんでしまうというのはかなり同感できたし、人がひきこもったり人間嫌いになってしまうというロジックも理解できた。

人を嫌いになることを受け入れれば「人生が豊かになる」という話は最初あまり理解できなかったが、本を読み終えた今は何となくわかる気がする。人を嫌う自分を許してあげれば、自分自身が楽になる。誰かに対する憎悪を必要以上に膨らませず、その人に対する「嫌い」を冷静に見つめれば、自分自身の中にある感情や歴史をひも解くこともできる。たしかにそれは人生が豊かになっているのかもしれないな~と。

ただ、人を嫌ったとしても、攻撃して良いわけではないので、そのあたりは気をつけたい。「嫌い」という感情を自分の胸の中で増幅もさせず、かといって無理に減衰もさせず、自分自身を掘り下げる材料にするのがベストかも。幸い現在は周りの人に恵まれていて「嫌い」という感情を持つことは少ないが、今後の人生において、ひとつの指針になりそう。

自分の中に新しい風を吹き込んでくれたので満足度は高めだが、著者の人生や、考察のために挙げられた文学の各節は壮絶だし、人間の黒い感情がほとばしっている文章もあるので、読んでいて陰鬱な気分になる要素もある。人との付き合い方に悩んでいる時に読むと、新しい発見があるかもしれない。ただ、あまり精神が参っている時に読むなら、本のダークな部分にのまれないように気を付けた方が良いかも。

1+

投稿者: wakky

映画と旅行が大好きなエンジニア。お酒、ゲーム、読書も好き。

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