満足度: 8点/10点満点 ★★★★★★★★☆☆
ネタバレには気をつけていますが、あらすじなどは書いているので「一切内容は知りたくない!」という方はご注意ください
レビュー
館シリーズの第三作目。館シリーズにすっかりはまってしまったので三作目も購入。
ストーリーとしては、今作ではお馴染みにとなった島田のもとに、とある作家から「迷路館の殺人」というタイトルの本が届き、その本の中で迷路館で起きた惨劇が語られる…という変わった構成になっている。私はあまり知らなかったのだが、こういうスタイルを作中作というらしい。
舞台となる「迷路館」の不気味さもさることながら、そこに集められ推理小説の競作に参加した新進気鋭の作家たちを襲う不可解な事件も、終始不穏な雰囲気を醸し出している。
今回のトリックについては、論理的にトリックが組まれていた前作の「水車館」に比べると少し後出し感はあった。ただ、この作品の魅力は作中作という構成を利用した結末にあると思う。
私も途中までは何となく結末を予想できて、途中で「ほらやっぱり」と得意げになったりしたのだが、結末を読んだときに「そういうこと!?」と驚いてしまった。また、作中で「迷路館の殺人」を書いた作家の正体についても予想してなかったので、ダブルで驚かされた。
今回も期待を裏切らない面白さだった。引き続き館シリーズを読み進めていきたい。