評価: 8点/10点満点 ★★★★★★★★☆☆
※結末についてはっきりとしたネタバレはありませんが、作中のいくつかのシーンに触れています
概要/あらすじ
ひょっとしたら、と彼女は思う、世界は本当に終わりかけているのかもしれない。
夜空に不思議な月が浮かび、「リトル・ピープル」が棲む1Q84年の世界……深い謎をはらみながら、主人公・青豆と天吾の壮大な物語(ストーリー)が始まる。
(Amazon紹介文より)
レビュー
サスペンス色が強まってくるBook2
前作のBook1もハードボイルドかつサスペンス色のある展開ではあったが、今作ではますます不穏な空気が漂ってくる。青豆の大仕事を前に起こる、数々の不可解な事件や天吾の前に現れた怪しい男・牛河、宗教団体「さきがけ」から放たれた刺客。そして青豆の手に握られる拳銃。
不穏な事件が立て続けに起こり命が消えていく展開は、恐ろしくもストーリーの加速が感じられて、読んでいてかなりドキドキした。
あいまいになる現実と「空気さなぎ」の世界
一方で、ふかえりと天吾がつくりあげた空想であるはずの小説「空気さなぎ」の世界に現実世界が浸食され、天吾の目の前にも不可解な現象が起こり始める。
そしてバラバラに進行していた青豆と天吾の物語も、一つの方向に向かって収束していく。この感覚が群像劇の醍醐味だよな~と思いつつ、中盤であるBook2も退屈せずに読み進めることができた。
ただ、会話のテンポがワンパターンに感じられるような部分もあり、多少マンネリを感じた部分もあったかな…。
ラストはショッキングな展開
そしてラストのショッキングな展開。ネタバレになりそうなので詳しくは書かないが、これまでの話の流れからは想像できなかった展開に「えっ!?」とついつい声が出てしまった。
こんな終わり方されたらBook3も読まずにはいられない!というような展開だったので、何の迷いもなくBook3を手に取ることができる。1Q84の感想記事も残り一回なので、次回も気合を入れて書きたいと思う。
ちなみに1Q84のBook1のレビューも以下の記事で書いてます。作中のシーンにいくつか触れてますが、はっきりしたネバばれは書いてないつもりなので、興味があればぜひ。