満足度: 7点/10点満点 ★★★★★★★☆☆☆
レビュー
ネタバレには気をつけていますが、あらすじなどは書いているので「一切内容は知りたくない!」という方はご注意ください
宿泊したハワイ島の小さなホテルに漂う不穏な空気
「リピーターお断り」という変わったルールを持った、ハワイ島にある小さなホテル・ピーベリー。木崎淳平は仕事を辞め、日本人夫婦が経営するこのホテルに滞在するが、宿泊客やオーナー夫婦の言動に違和感を覚える。そしてある日、ホテルを揺るがす事件が起こる…というお話。
ミステリー小説を読みたくてネットで調べていたら、この本の表紙絵とあらすじに惹かれて購入。読んでみるとあらすじを読んだときの印象通り、不穏な空気が漂う私好みのミステリーだった。
気になる点はあるがドキドキしながら楽しめるストーリー
舞台はハワイ島のヒロという町の近くにあるホテル・ピーベリーで展開されるコンパクトなストーリーだが、オーナー夫婦の違和感や、徐々に明らかになる宿泊客の「嘘」など、先が気になる要素が散りばめられている。
物語が動き出すまでが冗長な気もしたが、事件が起こってからドキドキしながら一気に最後まで読み進めてしまった。ラストは驚愕の結末!という程では無かったが、そういうことか〜という納得感があり、楽しんで読むことができた。
ただ、この作品はミステリーに加えて恋愛的な要素もあり、男女間の複雑な感情の描写があるのだが、私はそういったことには疎いので笑、あまり登場人物たちの心情についていけなかった。
また、宿泊客に関して色々なエピソードが語られて、それらが結末に対して伏線になっているのか!?と思いきや、あまり関係なかったりして、少しまとまりのなさも感じたかも。
文庫本のページ数は300ページ弱で、ストーリーはそこまで複雑ではないのでサクッと読める。生々しい殺人の描写などもないので、ミステリー小説好きじゃなくても楽しめるのではないかと思う。