評価: 9点/10点満点 ★★★★★★★★★☆
※ネタバレしないように気をつけていますが、あらすじなどは書いているので「一切内容は知りたくない!」という方はご注意ください。
レビュー
迷い込んだ山奥の地下建築物での想像を絶する悲劇
大学時代の友達、従兄と一緒に旅行に来た主人公の柊一は、みんなで山奥にある地下建築物を訪れる。軽い気持ちで訪れた柊一達だったが、突然の出来事で誰かの命を犠牲にする必要に迫られる。タイムリミットが迫るなか、さらに不可解な殺人事件が起き、極限状態での犯人探しを迫られる…というお話。
Twitterで「面白い!」と話題になってたので、普段ミステリー小説は読まないのだが買ってみた。結論から言うと、脳汁ドバドバ出るくらいの面白さだった。
極限状態での探り合いから目が離せない
「ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許されるか?」という、いわゆるトロッコ問題をテーマにしたミステリー。
そこに異様な建築物、殺人事件、命のタイムリミットなど、不穏な内容がてんこ盛りで、極限状態での犯人探しにドキドキしながら読み進めることができた。
夜寝る前に少しずつ読もうと思ってたが、先が気になって一気に読了してしまった笑
結末が…とにかくすごい!
この小説において結末のネタバレは絶対にご法度なので詳しく書かないが、結末がすごい。とにかくすごい。語彙が消失するくらいすごい。
深夜にラストを読んだとき「おいおいおいおいウソだろ!?」と叫びたくなるのを必死に抑えたほど。ページ数は決して多くないので、ぜひ自分の目で確かめてほしい。
山奥の地下建築物というシチュエーションについては少し無理矢理感も感じるものの、そんなことは全く気にならない程の面白さ。普段ミステリー小説はあまり読まないのだが、作者の他の本もぜひ読んでみたい。