評価: 7点/10点満点 ★★★★★★★☆☆☆
概要/あらすじ(Amazon内容紹介より引用)
本書は以下の読者を想定しています.
・電子回路に関わる仕事をしたい学生
・電子回路に関わる仕事をすることになったけど何も分からない新入社員
・ハードウェアを効率よくキャッチアップしたい他分野の人
勉強嫌い・経験ゼロから電子回路設計の仕事をすることになり,10年近く現場で経験を積んできた著者が,入社時にこんな本があれば効率よく電子回路の勉強ができたのに...という本を目指して執筆しました.
プロとして電子回路設計をするのに最低限必要であろう設計知識と,自分で勉強が進められるようになるガイドを記載しています.
レビュー
電子回路初心者の学生や新入社員にもってこいの内容
Amazonのレビューの評価が良かったので読んでみた。
回路設計や基板設計に関わる人ならば大体知っているような話が多いが、どれもわかりやすく丁寧にかみ砕いて書かれているので、電子回路の基礎知識があまりない人でもスラスラ読めると思う(抵抗とは何か、コンデンサとは何かくらいは知っておく必要はあるかも)。
パスコンの定数の決め方など、ざっくり書いてあるのも初学者にやさしい。
このあたりの数値の決め方は結構ややこしく、どの程度の値のものを入れるべきか明示的に書くのを避ける本やウェブサイトも多いなか、こういう明確な指針を示してくれるのは、初学者にとってはありがたいことだと思う。
回路だけでなく基板に関する知識も
電子回路の知識だけでなく、基板の基礎的な用語や意味についても解説してある。ベタGNDやガードパターン、マイクロストリップラインや等長配線など、基板作成には必須の知識だけど意外にとっかかりが少ない情報について書かれているので、初心者には嬉しい内容のはず。
欲をいえば、多層基板や基板の層構成などの基礎的な解説も含まれていれば、より実際の製品設計に近い知識を付けられる気もする。
最初の一歩を踏み出したらステップアップを
業務で回路設計や基板設計をする場合は、この本だけで仕事ができるレベルになるのは厳しい。著者も書いている通り、この本を読み終わった後に技術書やデータシートを読んで勉強していく必要がある。
ただ、総合的には初学者が知っておくべき内容を網羅しており、回路設計や基板設計の入門書としては良い本。
私も新入社員のときにこの本を読んでいれば、もう少し早く業務にキャッチアップできたかも?