評価: 8点/10点満点 ★★★★★★★★☆☆
※結末についてはっきりとしたネタバレはありませんが、作中のいくつかのシーンに触れています
レビュー
「星を継ぐもの」の続編
木星の衛星ガニメデで発見された謎の宇宙船は二千五百万年前のものと推定された。調査に向かった科学者のハントやダンチェッカーは、人間をはるかに卓越する技術を満載した宇宙船の技術に愕然とする。そんななか、宇宙の一角からガニメデ目指して接近する物体があった…。
はじめに断っておくと、この作品は以前レビューした「星を継ぐもの」の続編で話も完全に繋がっているため、あまり詳しく内容を書くとネタばれになってしまう。普段から決定的なネタばれはしないように気を付けて書いているつもりだが、今回のレビューは普段に増してふわふわした内容になるがご了承くださいm(_ _)m
ちなみに、前作を読まずにこの本を読んでもわけがわからないと思うので、この本を読む前に、まずは前作を読むことをオススメしたい。
序盤からクライマックス!前作の謎も明かされる
前作は、月で見つかった未知の技術を身にまとった人間の亡骸の正体を探るという魅力的なストーリーラインに引き込まれたが、今作も序盤から衝撃の展開で一気にストーリーに引き込まれる。
大筋では、前作で残された謎が解明されていくストーリーで「異星人との遭遇」が主軸となっている。異星人を題材にした本や映画だと、結構正体不明のままよくわからずに去っていく…みたいな話も多い気がする。しかしこの作品ではしっかりと描写がされているため、前作同様ごまかされている感は全然ない。
また、ハードSFと呼ばれるだけあって緻密な科学的な描写が多い。この描写を「面白い」と思うか「まどろっこしい」と思うかで評価はかなり変わってくると思うが、個人的には1つ1つの事象に論理的な説明がされるので、誤魔化されている感が無くて良いと感じた。でもたまに細かすぎでは…と思うことはあったかも。
途中で少しダレるがやっぱりラストはすごい
序盤の展開はワクワクさせてくれるが、中盤は大きな動きが乏しく、読んでいて少し飽きてくる感じはある。ただ、前回同様ラストには衝撃の事実が隠されており、思わず「な・・・・なんだってー!!」と叫びそうになった。
科学的な描写は人によっては途中で退屈に感じてしまうかもしれないが、ラスト30ページのためだけでも読む価値はあると思う。
この作品は3部作になっているので(正確には3部作完結後から長い月日を経て、続編も発売されているが)、3作目の「巨人たちの星」も読み進めたい。