評価: 5点/10点満点 ★★★★★☆☆☆☆☆
概要/あらすじ
なぜ「1ページ5分」かかっていた遅読家が「年間700冊超」読破する人気書評家になれたのか? 元・遅読の書評家である著書が教える、本を読むのがラクになる読書術。
レビュー
多読に大切なのは「心がけ」
前々から、もっとたくさん本を読みたいと思っていたので、タイトルが目に留まった。目次を見て読むか決めるとか、自分に必要ない部分は飛ばすとか、テクニック的な面では目新しい内容はない。むしろこの本の価値は、多読するための心がけの部分にある。私が印象的だったのは以下の部分。
「1行」を探しながら読むようにすると、そこには冒険しかありません。
これは、本の全てを理解しようとするのではなく、自分にとって必要な1行を探す気持ちで本を読むということ。この考え方はいままで無かったので、今後意識すると読書スピードがあがりそうだと思った。あと、書評を書くときは本文を引用すると、著者の主張が伝わりやすいという内容も勉強になったので、今回さっそくやってみた。笑
やや論理性に欠けるか
ただ、全体的に言えるのは、書かれている内容があまりロジカルではなく、著者の感覚だけで書いている印象がある。そのため、説得力が薄かったり、よく理解できなかったりする部分がある。
例えば後半の著者の幼少期のエピソードで頭が壊れたうんぬんの話は、正直意味がわからなかった。最終的に思い込みは怖いってことを言いたかったんだと思うが、意識を失うような事件があったことから頭が壊れたと思った部分への流れが突飛すぎるし、主観的すぎてついていけない。メッセージはわかるが、もう少し書きようは無かったのか。
また、『「なにかのための読書」なんてつまらない!』というタイトルの小節があるが、短いうえになんの説明もなく、なんでそういう話になるのか理解できなかった。読書すること自体を楽しめってことだと思うけど、今までの話と整合性が取れていない気もしたので、もう少しちゃんと説明してほしい。
全体としては雑な部分もあるが、読書の心がけの部分に関しては学ぶことも多い。文句も書いたが、私にとって大事な1行(上で引用した部分)を見つけることはできた。これから本を読むときも、1行を探しながら読んでみたい。