満足度: 8点/10点満点 ★★★★★★★★☆☆
概要/あらすじ
高速IFとしてますます存在感が増しているPCI Express。この本では、規格の概要を始め、プリント基板設計のポイントやFPGAでのIPコアの選び方、コンプライアンステストに関する説明など、実製品の設計に必要な内容を網羅的に紹介している。主にGen1、Gen2に関する内容が記載されている。
感想
仕事で必要になったため、昔買ったこの本を引っ張り出して読み直してみた。
PCI Expressの規格について一通り知ることもできる。トランザクションパケットの中身や8B10Bデコードに関しても説明があるので、事前知識が無くてもおおむね理解することができる。
今回読んだのは第二版だが、こちらが出版されたのが2012年(初版が出版されたのは2010年)のため、内容的にはGen1、Gen2を中心に取り扱っている。
ただ、Gen3やGen4に関しても差分について書かれているし、各章の内容はGen3、Gen4でも共通の事項が多いので、今読んでも十分役に立つ。
基板設計や電源設計、FPGAやLSI設計、ドライバなどのソフトウェア設計の観点から書かれた章があり、設計のイメージが非常につかみやすい。
PCI Expressの規格書を解説しただけの本とは、一線を画す内容になっている。
これから仕事でPCI Expressに関わる人で、規格の概要や設計の進め方のイメージをつかみたい人にはオススメの本。
あえて欠点を上げるなら、ときどき図がわかりにくいことがあり、プロトコルの詳細を理解できないところもあった(単に、私の理解力が不足しているからかもしれないが)。FPGAやLSI設計の章は、実際にRTL設計などをしたことがないとイメージがつかみづらいかも。
また、各章ごとに別々の著者が書いているせいか、本全体としては若干統一感が無いようにも感じた。逆に言えば、章ごとに文章が完結しているので、自分が興味がある章だけピックアップして読むこともできる。
今後も手元に置いておきたいと思える良書だった。