満足度: 7点/10点満点 ★★★★★★★☆☆☆
(※結末についてネタバレはありませんが作中のいくつかの場面について触れてます)
概要/あらすじ
新宿、歌舞伎町の一角に、ヤクザの組事務所、住居、風俗店がひしめき合うマンションがあった。ある日、マンションの一角で武闘派ヤクザで知られる安生組の組長が姿を消す。その裏には謎の老人(ジジイ)と、泣き虫の殺し屋・イチの姿があった。安生組の若頭・垣原は組長の行方を追うが……。
感想
Kindle Unlimitedにお試し登録してみて、読み放題だったので読んでみた。かなり激しい暴力表現や性的な表現が多様されている。なかでも「痛み」に関する表現がえげつなく、イタタタタタ…と声が出そうになるようなシーンが多数ある。ただ、暗躍する「ジジイ」の狙いや、垣原とイチの関係など、先が気にある展開となっており、10巻まで一気に読んでしまった。
人間の残酷さや異常性を、ヤクザと殺し屋というアウトローの世界に引きずり出し、読者に叩きつけてくるようなマンガだなぁと思った。似たようにダークな雰囲気でアウトローを描いた漫画では「ウシジマくん」も読んだことがあるけど、ウシジマくんは「自分がこうなったら嫌だ」と感じる怖さなのに対して、この漫画は「こんなイカれた奴らいたら嫌だな、でももしかしたら本当にいるかも」と思わせる怖さを感じた。
ただ、ちょっと内容的には理解できない部分もあったかな。ラスト付近の「希望と絶望」の語りの部分もイマイチ理解できなかった。結末もポジティブではなかったけど、なぜか後味は悪くなくて、謎の爽やかさ(潔さ)を感じる終わり方だった。
絵柄は結構独特だし、表現も過激なので人を選ぶマンガだと思うけど、怖いもの見たさで一度読んでみると、見たことが無い世界を覗けるかもしれない。