満足度: 8点/10点満点 ★★★★★★★★☆☆
概要/あらすじ
かつては高度な神殿文化を生み出しつつも、16世紀以降は外部の世界に従属してきたラテン・アメリカ。スペイン・ポルトガルの植民地支配、列強の経済的支配、アメリカの政治的な影響。独立後も激動の時代が続くなか、いかにしてラテン・アメリカ諸国は自立してきたのか。長大なラテン・アメリカの歴史をコンパクトにまとめた一冊。
感想
南米旅行に行くまえの歴史の勉強のために読んだ本。300ページ程度の文庫本の中にラテンアメリカの成り立ちの情報がギッシリと詰まっている。基本的には文字での説明になるが、ところどころで表や地図、絵や写真も載っているのでイメージもしやすい。
著者の増田義郎氏は去年亡くなられているが、ラテンアメリカ文化の研究では非常に有名な方だったようで、非常に説得力がある。わりとお堅い内容の本なのでスラスラ読める感じではないが、ラテンアメリカの歴史に興味があれば楽しく読み進められる本だと思う。
ただ、こちらの本では植民地支配後のラテン・アメリカの歴史にページが割かれており、インカなどの古代文明に関してはあまりしっかり書かれていない。ラテン・アメリカの古代文明に興味があるなら、他の本とあわせて読むことをおすすめする。