評価: 8点/10点満点 ★★★★★★★★☆☆
※結末についてはっきりとしたネタバレはありませんが、作中のいくつかのシーンに触れています
概要/あらすじ
ひょっとしたら、と彼女は思う、世界は本当に終わりかけているのかもしれない。
夜空に不思議な月が浮かび、「リトル・ピープル」が棲む1Q84年の世界……深い謎をはらみながら、主人公・青豆と天吾の壮大な物語(ストーリー)が始まる。
(Amazon紹介文より)
レビュー
牛河の目線が新鮮
長かったがあっという間だった1Q84もいよいよ最終巻。book3の最大の特長は、今まで青豆と天吾の二人の目線で進んでいたストーリーに加えて、青豆の行方を追っていた牛河の目線からもストーリーが描かれているところ。
1Q84を巡る一連の出来事の当事者である青豆と天吾による主観的なストーリー展開に加えて、1Q84の世界を客観的に見る牛河の目線が加わり、一歩引いた視点で物語を眺めることができて新鮮だった。
また、追われる青豆と追う牛河の目線が交互に入れ替わるストーリー展開は、サスペンス映画を観ているようでドキドキした。マンネリ感も薄まるし、個人的に牛河の登場はナイスな展開だと思う。
よくわからんがある程度スッキリはする伏線回収
村上春樹の小説にきっちりとした説明は求めてはいけないと思うが (笑)、ある程度は「あー、そういうことだったのか」と納得はできる展開だったと私は思う。
ただ、それはあくまで大筋の流れの話であり、細かいことを考え出すと「どういうこと??」となるポイントはたくさんあるので、細かい部分が気になる人にとっては全然腑に落ちずモヤモヤしてしまうかも。
ラストはあえて詳しく触れないが
1Q84はかなり長い小説だし、もし途中まで読んだ人が私の記事を読んでネタバレだと感じたら申し訳なさすぎるので、あえて詳しくは書かない。
ただ、個人的には好きな終わり方だった。あまり長い小説って普段読まないんだけど、1Q84は不可思議で先が読めない展開だからこそ、最後まで飽きずに自然に読み通すことができた。(さすがにちょっと疲れたが)
1Q84に興味があるけど長すぎる…と思う人は、まず最初のBook1だけ読んでみることをオススメする。ハマればきっと最後までするする読み通してしまうはず。