満足度: 8点/10点満点 ★★★★★★★★☆☆
レビュー
※結末についてハッキリとしたネタバレはありませんが、映画の展開やシーンについて触れています
スーパーサイズミーの監督がファストフード店を出店!?
前作のスーパーサイズ・ミーで、ファストフードへの依存によるアメリカの食文化に警鐘を鳴らしたモーガン・スパーロック監督が続編を製作。今度はなんと自分自身がチキンのファストフード店のオーナーになって出店するという内容。
「なんで自分でファストフード店経営を?」と最初は疑問に思ったのだが、徐々にファストフード店による上っ面だけのヘルシー志向や、チキンの飼育を牛耳る何社かの大手企業「ビッグチキン」による養鶏所の搾取などの問題が浮かび上がってくるのが面白い。
自分の頭で考えて調べる大切さ
売り物自体は変わっていないのに、「ナチュラル」や「オーガニック」などの謳い文句や、店の内装・外装でヘルシーなイメージを持たせる企業の戦略はよく考えてるな~と感心。日本でも最近こういったフレーズがついた製品が増えてきているが、健康を気にするのであれば「それって本当にヘルシーなの?」と少し立ち止まって考えて、自分で調べてみるのも大切かもしれない…と思った。
ちなみにメインテーマは表面上の「ヘルシー志向」とビッグチキンによる養鶏場への搾取の問題提起だと思うが、鶏の命の軽さやファーストフード店の給料の安さなど、細かいテーマをちょこちょこ挟まれている。ただ、もちろんそれらも認識すべき内容だとは思うんだけど、ちょっと色々詰め込み過ぎてメインテーマがぼやけてしまっているような気もした。
内容としてはしっかりとしたメッセージがある映画ではあるが、お堅い雰囲気ではなく笑えるジョークなどもちりばめられているので、普段ドキュメンタリー映画を観ない人でも楽しみつつ、新しい発見を得られるのではないかと思う。