【映画感想】「マッドマックス2 Mad Max2:The Road Warrior(1981)」 – 強化された世紀末感と圧倒的迫力

投稿日:2019年6月7日
最終更新日:2021年3月14日

満足度: 9点/10点満点 ★★★★★★★★★☆

あらすじ

大国同士の世界大戦の末に石油危機を迎えて荒廃し、暴力が支配するようになった世界。前作で家族を失った元警官のマックス・ロカタンスキーは、愛車と共にあてもなく荒野をさまよっていた。

そんななか、凶悪な暴走族と戦いながら荒野の中で生活を続ける一団と出会う。彼らに救われたマックスは、用心棒として彼らに協力することを決意する。

 

レビュー

※結末についてハッキリとしたネタバレはありませんが、映画の展開やシーンについて触れています

前作から予算10倍で迫力も10倍

この映画は凄い。作り込まれた世界観と圧倒的な迫力のカーチェイス。1981年の映画ながらも、CGを使わないリアリティのあるバトルシーンは今見ても新鮮で、90分があっという間にすぎてしまった。また、普通の車とバイクだけでなく、タンクローリーや小型ヘリコプターを混じえた多彩なアクションシーンにも、前作からの進化を感じる。

低予算映画として作られた前作のヒットにより、10倍近い予算をかけてつくられた本作。マッドマックスのイカれた世界観を保ちつつ、圧倒的なクオリティのエンターテインメント作品に昇華されている。

 

強烈ながらもわかりやすい世紀末の世界感

前作はそこまで評価は高くないようだし、私自身も正直あまり面白いとは思わなかったが、イカれた世界観は共通している。しかしながら本作では、観ている人が世界観に溶け込みやすくなっていると思う。

最初にテロップを入れることで、世界が荒廃した経緯を説明しているし、燃料を奪い合うストーリーもわかりやすく、すんなり狂った世紀末世界に溶け込むことができる。

わかりやすくなった一方、そのイカれ具合は強化されている。鉄製ブーメランで指が吹っ飛んでゲラゲラ笑っていたり、人質を車の先頭にくくりつけて荒野を爆走したり、「マジでその格好なんなの?考えたやつ頭おかしいの?」と突っ込まざるをえない敵の親玉のファッションなど、他の追随を許さない世界観を構築している。

 

伝説になったのも頷ける奇作

他のSF映画や北斗の拳のモチーフになったのも頷ける、衝撃的な映画だった。強烈な世界観はさることながら、作り込まれたストーリーと圧倒的なエンターテイメント性を、90分という短時間に詰め込んだのが素晴らしい。

とはいえ、80年代の映画で画作りなどの面で古さは感じるし過激な描写もあるので、観る人は選ぶかもしれないが、頭に残るシーンも大量にある名作映画だった。


投稿者: wakky

映画と旅行が大好きなエンジニア。お酒、ゲーム、読書も好き。

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