【映画の感想】「華氏119 Fahrenheit 11/9(2018)」- ここが変だよアメリカ社会。トランプ政権を口火に炙り出すアメリカの闇

投稿日:2020年8月12日
最終更新日:2021年3月14日

満足度: 7点/10点満点 ★★★★★★★☆☆☆

レビュー

※結末についてハッキリとしたネタバレはありませんが、映画の展開やシーンについて触れています

なぜトランプ大統領は当選できたか

トランプ大統領はツイッターなどでたびたびセンセーショナルな発言を繰り返すし、敵が多そうなイメージはあったけど、恥ずかしながら具体的にどのような点が批判されているのかあまり知らなかった。

映画の前半では、当選前のトランプ大統領の過激な言動や行動を紹介しつつ、なぜ支持率や投票数で上回っていたヒラリー・クリントンを抑えて大統領に当選できたのか描きながら、アメリカ社会の問題に切り込んでいくドキュメンタリー映画になっている。

 

トランプ批判を口火にアメリカ社会の問題を提起

映画を観る前はトランプ政権を徹底的に批判するような映画かと思ったけど、どちらかというとトランプ政権への批判は口火に過ぎず、黒人が多く暮らす街・フリントで起きた水源汚染や公務員のストライキ、フロリダ州パークランドで多数の被害者を出した銃撃事件など、アメリカが抱える問題に切り込む内容になっている。

またまた恥ずかしながらフリントの水源汚染の話はこの映画で初めて知ったのだけど、住民の健康よりも政治家の都合や企業の利益を優先した内容はあまりにもひどい。もうちょっと私も世界のニュースを見ないとな~と思いつつ、アメリカが抱える問題を知ることができた。

 

マイケルムーアの主張全部盛り?やや統一感の無さも

一応トランプ大統領を中心に色々と話が進んでいくのだが、いろいろな問題を行ったり来たりするような構成なので、やや映画として統一感が無く、マイケル―ムーア監督が今言いたいことを全部詰め込みました!というような内容になっている。

逆に言えば、アメリカが抱える様々な問題を広く、それなりに深く知ることができるので、飽きずに最後まで観ることができた。

印象的だったのは、政権に対して声を上げて戦うフリントの住民や、全米の教師たち、そして銃撃事件で友人を亡くした高校生たちの行動力。自分たちで問題を解決しようとする強力な自主性に関心しっぱなし。日頃からニュースなどでしっかり情報を取って、日本をよくするために自分も行動しないとなぁと思えるような映画だった。


投稿者: wakky

映画と旅行が大好きなエンジニア。お酒、ゲーム、読書も好き。

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