満足度: 9点/10点満点 ★★★★★★★★★☆
あらすじ
世界最大のクイズショーで、インドのスラム出身の少年が、番組史上最高額に王手をかける。イカサマの容疑をかけられ、警察の厳しい取り調べを受けるが、その中で少年の壮絶な半生が浮かび上がる。
イカサマか、才能か、運命か……果たして彼の出す「ファイナル・アンサー」は?
レビュー
※結末についてハッキリとしたネタバレはありませんが、映画の展開やシーンについて触れています
インドの生々しい実態をエンターテインメントと両立させて描き出す
amazon primeで特に観たいものが無くて、何気なく目に入ったから観たら素晴らしい映画だった。アカデミー賞8部門受賞だから当然といえば当然だけど。クイズショーと少年の半生をテーマに、インドの実情、家族や愛、そして人生について、生々しく描き出している。
冷静に考えると、そこそこ説教臭い内容なんだけど、テンポが良く先が気になる展開のおかげで、押しつけがましさは感じない。エンターテインメントとしてしっかり楽しませつつ、人の生き方について考えさせられる。個人的に、主人公の兄の生き方が一番切なかったかな。自分の幸福を求めつつも、弟への愛を貫いたところはとてもカッコいい。
綺麗な結末の後も余韻が残るインド感
「ああ、そういうことか!」と思わず声が出そうな終わり方は良かった。エンドロールをダンスで締めるところもインドらしくて良い(笑)
ただ、少しストーリー展開的に、ご都合主義すぎる気もしたかも。あと児童虐待のシーンはかなりエグい表現で、少し引いてしまった部分はある。リアリティを出すにはしょうがないけど。
多少暴力的なシーンはあるけど、そこに抵抗がなければ楽しめると思う。インドの街の雑多な雰囲気も良く出ているので、インドに興味がある人にもぜひ。