満足度: 8点/10点満点 ★★★★★★★★☆☆
あらすじ
インドの小さな村で、最愛の妻と新婚生活を送るラクシュミ。貧しくて生理用品が買えず不衛生な布を使用している妻のため、清潔で安価なナプキンを手作りを始める。男でありながら生理用品に固執するラクシュミは、村人たちから奇異な目を向けられ、侮辱を受ける。
しかし、そんな彼の熱意に賛同する人は次第に増え、ついに低コストで大量生産できる製造機の発明に成功。彼の実績は世界に認められて、国連でのスピーチを依頼され……。
安全で安価な生理用品の普及に奔走した男の実話を映画化した作品。
伝統より妻の健康を願った男の起こす革命
エキゾチックな音楽とともに、男女がちちくりあうシーンからスタートするのが何ともインド映画っぽいが、内容はいたってシリアス。
妻を愛する思いから、インドでのタブーに立ち向かったラクシュミの勇気に感心する。伝統を重んじるインドで、恥よりも妻の健康を願う考えでパッドをつくったのは、一種の革命だと思う。
華麗なダンスやド派手なアクションよりも強烈なドラマ
映画の展開としては淡々としていて、華麗なダンスシーンもなければ派手なアクションシーンもない。しかし周りに侮辱されても、信念をもって正しいことを成そうと努力するラクシュミの姿から、強烈なドラマを感じた。
特に最後のスピーチのシーンはグッとくるものがあり、思わず目頭が熱くなった。ただ、そのあとのロマンス的要素は必要だったのか……。ここについては映画としての主題がぼやけるので不要な気がした。
中盤以降ラクシュミがパッドにとりつかれすぎて怖かったり、奥さんが可哀想になったりする部分もあるが、インドのひとつの革命を目の当たりにできる興味深い映画だった。