満足度: 7点/10点満点 ★★★★★★★☆☆☆
レビュー
※結末についてハッキリとしたネタバレはありませんが、映画の展開やシーンについて触れています
地球と宇宙、それぞれの戦い
滅亡寸前の地球。人々が脱出するなか、北極の基地にひとり残った科学者であるオーガスティンと基地に取り残された謎の少女アイリス、地球の危機を知らず豊かな惑星K-23の探査から帰還中の宇宙船クルーの2組の視点でストーリーが進行する。
宇宙船に地球の危機を知らせようとするオーガスティン、通信が途切れた地球に帰還しようとする宇宙飛行士のサリー達のそれぞれの戦いを描く映画になっている。ちなみにこの映画はNetflixのオリジナル作品。
厳しい北極と雄大な宇宙の映像美
北極を舞台にした映画、宇宙を舞台にした映画は星の数ほどあると思うが、両方のシーンが交互に切り替わる映画は新鮮な感じがした。
厳しくも美しい雪原が広がる北極と、雄大な宇宙の映像は壮大で見ごたえがある。ときおり事件やトラブルは発生するものの基本的には静かで淡々と進む雰囲気の映画ではあるが、宇宙と地球の2つの視点の切り替えやテンポの良さで退屈はしなかった。
基本的にはシリアスな映画ではあるが、オーガスティンとアイリスが食事中にふざけあったりするほのぼのシーンもあり、適度に息抜きもできる。
ラストは少しモヤモヤ感が…
地球が滅亡寸前になった原因など、全体的に地球の状況について詳しい説明はされない。映画が進むにつれてそのあたりはわかってくるのかなと思ったが、断片的な情報は得られるものの全体像は最後まで見えず。
ラストは意外ではあったが、今までのシーンを考えるとちょっと無理があるような気がした。また、こういう終わり方自体はそこまで新鮮なものではなく大きな驚きはなかったし、作中の謎も結局解けないのでモヤモヤしたまま映画が終わってしまったという印象。
私は結構細かいことまで気になってしまうタイプなのでこのように感じたが、終わり方自体は爽やかさはあるし、作中もところどころ盛り上がるポイントもある。滅び行く地球の退廃的な雰囲気も個人的には好きだった。
細かいことは気にせず、宇宙を舞台にした映画が好きな人であれば純粋に楽しめるのではないかと思う。