満足度: 6点/10点満点 ★★★★★★☆☆☆☆
レビュー
※結末についてハッキリとしたネタバレはありませんが、映画の展開やシーンについて触れています
アンソニー・ホプキンス演じる老人の哀愁
アンソニー・ホプキンスがアカデミー主演男優賞を受賞したことで話題になった作品。アンソニー・ホプキンス演じる80歳になった老人の目線で、現実と幻想の堺があいまいになっていく様子や、親子の揺れ動く関係を描いている。
ちなみに主人公の名前も役者と同じアンソニーなのがなんだか面白い。さすがに主演男優賞を取ったということで哀愁を感じさせられる演技だったし、他の役者さんの演技からも悲しみや怒りをしっかりと感じることができて、感情移入することができた。だからこそ観ていて辛い気持ちになってしまったが…。
ミステリーテイストの映画だと思っていたが…
以前どこかで本作はミステリーテイストの映画だと聞いて、そのつもりで観たので正直内容に戸惑ってしまった。まぁこれは私の勝手な思い込みなんだけど。確かに最初の方はミステリー的な雰囲気もあった。ただ、詳細については書かないが、後半からかなり悲しい気持ちになるストーリー展開だった。
老人の目線からこういう状況を描くというのは私にとっては新しい視点だったし、斬新に感じた部分もある。いきなり家の中に知らない人がいたり、とつぜん娘が別人になったり、朝と夜が一瞬で入れ替わったり、もし自分がこの状況に陥ったら…と考えるとある意味ホラーでもある。
観終わった後に「あ~面白かった!」と思えるような映画ではなかったし、正直なところヒューマン・ドラマ的な展開は私の好みからは少し外れていたかな。ただ、各キャラクターにはしっかりと感情移入できるし、何か心の中にグサッと刺さるものはあるような映画だった。