満足度: 8点/10点満点 ★★★★★★★★☆☆
レビュー
※結末についてハッキリとしたネタバレはありませんが、映画の展開やシーンについて触れています
時間にうるさい会社員が絶海の孤島に漂着
国際的な物流会社のシステムエンジニアであるチャックは、生産性向上のため世界中を飛び回っていた。チャックは1分1秒を無駄にしない時間に厳しい男だったが、飛行機事故に巻き込まれ、ひとり無人島に漂着。壮絶なサバイバルが始まる…というお話。
仕事に疲れた金曜の夜に「なんか心に染みそうな映画観たいなぁ」と思って適当に選んで観てみた。映画冒頭で時間にうるさいチャックの仕事っぷりが描かれているが、その後の正確な時間もわからない無人島での生活と対比が効いていて面白い。
仕事から離れてのんびり孤島生活…とはいかず
映画を観る前の勝手なイメージだと、現代社会で忙しく生活していた男が、無人島での自給自足の生活を通して本当に大切なものに気づく…的なストーリーかと思っていたが、映画で描かれる孤島生活はまさに生きるか死ぬかのサバイバル。チャックが孤独と絶望感に苛まれる様子が淡々と描かれる。
わりと血もドバドバでるし、発狂したりバレーボールを話し相手として依存したりと、細かい描写もなかなか悲惨なもの。月日が流れるにつれてチャックの体型もちゃんとほっそりしているあたりはトムハンクスのプロ意識の高さを感じる。あの食生活だとマシニストのクリスチャンベールくらい痩せそうな気もするけど、そこまでいくと逆に役者の健康状態が気になる気もするので、あのくらいが丁度良いのかもしれない…笑
結末は時の流れの無常さを感じるが…
結末は、個人的には時の流れの無常さを感じさせる残酷で悲しい展開。それでも最後は爽やかな含みを持たせているので、見終わったあとはもの悲しい気もするし爽やかな気もする、不思議な余韻を感じた。
映画の時間は144分と結構長いし、トムハンクスのひとり芝居が長いので、人によっては退屈に感じられるかもしれない。ただ、激しい展開が少ないぶん、ぼけーっと観てても頭に入ってくるので、週末の夜にまったり観るにはなかなか良い映画だった。