満足度: 8点/10点満点 ★★★★★★★★☆☆
レビュー
※結末についてハッキリとしたネタバレはありませんが、映画の展開やシーンについて触れています
社会に見捨てられたはぐれ者たちが一攫千金を狙う
ジュードロウが演じるのは、海洋サルベージの専門家だったが11年務めた会社を首になった男・ロビンソン。妻にも見捨てられ息子とも満足に会えず、絶望に打ちひしがれていた。そんななか、昔の仕事仲間から莫大な金塊を積んだドイツ軍の潜水艦がグルジア沖の黒海に沈んでいるという情報を知る。
なんとかツテを見つけて投資家の支援を受け、ボロボロの潜水艦を調達。荒くれ者や、ロビンソンと同じく社会に見捨てられた者たちを集めていよいよ潜水するのだが、潜水艦の中で様々な事件が起こる…というお話。
このクルーたちがなかなかの個性で、特にロシア人のオッサンたちの荒くれっぷりがすごい。もう序盤からトラブルが起きる予感しかしない。
潜水艦という密室をうまく利用した展開
ロビンソンは、金塊を回収できたら取り分は全員で等分すると約束する。しかし等分するということは、人数が減れば取り分があがる。この時点で大体の人はどういう展開になるか察しがつくだろう。ただ、面白いのは潜水艦というのが、動かすのにある程度の人数を必要とするということ。つまり減りすぎると生還もできなくなる。この制約が、潜水艦内で起こる様々なトラブルに緊張感をもたらしているように感じる。
まぁほとんどが欲に目がくらんだ人間達の暴走なので、自業自得と言ってしまえばその通りなのだが、自分の命と金を天秤にかけてクルーたちが追い込まれていく様はなかなかスリリング。
意外にもラストはどこか爽やかで切ない
レビューサイトや動画配信サイトを見るとあまり評価は高くないのだが、潜水艦という限定されたシチュエーションの中で退屈しないように色々な出来事が起こるように考えられていると思うし、ドキドキする場面も多くて結構好きな映画だった。まぁB級映画っぽい雰囲気がありながらそこまでチープではない中途半端さはあるので、評価が分かれるのはなんとなくわかる。
ラストはドロドロ終わるかと思ったら意外に爽やかだし、なんだか切なくなるような要素もあって個人的には結構好きだった。ハラハラするパニック映画や密室でのサスペンスが好きな人にはオススメできる。