満足度: 6点/10点満点 ★★★★★★☆☆☆☆
(※結末についてネタバレはありませんが、映画内のいくつかのシーンについて触れてます)
あらすじ
次々と奇怪な現象が相次いで秀樹を襲う。秀樹は、幼少期に友達が失踪した際に感じた、不気味な気配を思い出していた。知人から霊感を持つ真琴を紹介しててもらい、謎の力と対峙しようとするのだが……。
感想
これは色々な意味ですごい映画だった。前半と後半の雰囲気が違いすぎてビックリする。前半は傑作ホラーの予感を漂わせておきながら、突如後半から笑ってしまうような描写や、大げさなシーンのオンパレードで「俺はいま、いったい何を見せられているんだ……。」と、あっけにとられる。竜頭蛇尾というわけではなく、頭は竜だけど、尻尾を引いたらわけのわからん化物が飛び出してきたような感覚。
前半は、単純にホラーサスペンスとして面白く観ることができた。田舎の伝承や妖怪が絡んでいて、「TRICK」をシリアスにしたような雰囲気が漂い、物語に引き込まれる。人間が持つ嫌な部分もストーリーに盛り込まれており、オカルト的にも人間の内面的にも陰鬱な雰囲気が漂うが、怪しげで独特な映像表現にどんどん引き込まれていく。これは傑作ホラーに違いない。中盤まではそう思っていた。
しかし、警察が動員されたあたりから雲行きが怪しくなってきて、そのまま私を取り残したまま、ストーリーは一気に後半へ。ネタバレになりそうなので詳しくは書かないが、もう「何これ」としか言えない。ただ、個人的には別にこういう映画があっても良いかなと思うし、おもしろいというより「興味深い」映画だった。一方で、ちょっと狙ってる感が強くて鼻につく場面もあり、そこはちょっとイマイチ楽しめなかったかな。ラストのシーンはまさにCGの無駄遣い、「あ~あ、やっちゃったねこりゃ」としか言えない。
評価をつけるのがとても難しいが、印象に残った映画であることはたしか。ぜひ誰かと一緒に観に行ってもらって、「何これ?意味わかんないだけど!」と呆れ笑いを浮かべながら語り合って欲しい。