満足度: 8点/10点満点 ★★★★★★★★☆☆
レビュー
※結末についてハッキリとしたネタバレはありませんが、映画の展開やシーンについて触れています
時間をさかのぼり第三次世界大戦を防ぐ
熱心なファンも多いクリストファー・ノーラン監督の作品。公開当時も話題になっていたので私も気になっていたが、今回初めて鑑賞。難解な部分もあったが、壮大で斬新なアイディアが散りばめられたSF大作という感じでかなり楽しめた。
時間の逆行を利用したトリックや伏線は必見
タイムスリップを題材とした映画は山ほどあるが、物理的に時間が逆行している中で戦ったり、何かを探すという内容や映像表現は斬新で面白い。時間が逆行するというテーマを使ったトリックや伏線が散りばめられているのも、いちいち「ここに繋がるの!?」という驚きがある。
映画の時間は約2時間半と長めだし、基本的にはシリアスで複雑なストーリー展開なので観るのにそこそこ集中力が必要になる。ただ、ちょっとしたジョークやコミカルなカットもたまにあり、思わず「フフッ」と笑ってしまった。このあたりは、長い映画の時間で、ある程度気が抜けるようにしている配慮は感じた。
難解な部分はあるが大筋をつかめれば
正直なところ時間が逆行する仕組みについては「エントロピーが少くなる」くらいの説明でかなり雑な印象はある。また、細かいところで「ん?どういうこと?」となることも結構あった。
ただ、大筋にでも話がわかれば、時間が逆行する不可思議な世界での派手なアクションに引き込まれるし、画面にかじりついて観てしまう魅力がある。特に通常の時間の流れと逆行した時間の流れが入り乱れた市街戦は、圧倒的な迫力と斬新な映像表現で、とても興奮した。
シリアスな雰囲気のSFサスペンスが好きな人は、きっとこの不可思議な世界を楽しめると思う。