満足度: 5点/10点満点 ★★★★★☆☆☆☆☆
(※結末についてネタバレはありませんが、映画内のいくつかのシーンについて触れてます)
あらすじ
心を閉ざした少女・杏奈は、ぜんそくの療養を目的に海沿いにある親戚の家へやってくる。そんなある日、誰もいないはずの屋敷で、美しいブロンドの少女マーニーと出会う。マーニーとの出会いは杏奈を変えていくが、やがて彼女はマーニーの秘密を知る。
感想
秋のジブリ祭り第二弾ということで。監督はアリエッティと同じ米林監督。それならアリエッティと二週連続にしたほうが良かったのでは、という気もするがテレビ局にも色々都合があるのだろう。
まずアンナが療養に行って迎えの車に乗ったときの、駅前の中途半端に発展している街並みが妙にリアルだった。このシーンが、そのあとの親戚の家のファンシーな部屋を際立たせている。最初の「メェメェうるさいヤギみたい」ってセリフでアンナの冷めた様子が伺える。そのちょっと後で一緒にお祭りに言った子に「ふとっちょな豚」って言い放っちゃうあたりからも。「ふとっちょ」という幼い言い方が「豚」っていうきつい言葉をうまくオブラートに包んで、作品に対してセリフが浮かないようにバランス取ってるように感じた。
あと、マーニーと初めて会ったシーンでアンナが浴衣着てるシーンで「なるほど」と思った。外国人の血を引くアンナとの対比で、印象的なシーンとして残る。中盤になってくると、「結局マーニーって何なの?」という感情が視聴者にはフツフツ湧いてくると思う。そのタイミングで絵描きのおばさんからの、マーニーについての説明。タイミング的には悪くないと思うが、ちょっと短時間に一気に説明しすぎな気もした。それとおばさんの話の中の交通事故のシーンがリアルすぎて、一気に現実に引き戻されてちょっと冷めてしまう感じもした……。
ただ、最後にボート乗りのおじさんが喋るシーンと、アンナとマーニーのつながりがわかるシーンは、ベタだが良かった。縁日でアンナの目について言及されたシーンで気づけなかったのが悔しい(笑) 割と王道を行く展開だったのであまり意外性はなく、綺麗にまとまった作品という印象。ただ、ジブリに対しては王道にしても突き抜けたモノや、他の作品にはない尖ったモノが欲しかったということもあり、満足度は5にした。
米林監督はまだそんなに監督して作品を多くつくっているわけではないようなので、もし新作をつくるようなら見てみたいなと思う。