満足度: 9点/10点満点 ★★★★★★★★★☆
あらすじ
女優のクリス・マクニールは映画撮影のためにワシントン近郊に家を借り、一人娘のリーガンと共に暮らしていた。不自由なく楽しい生活を送っていた二人だったが、ある時から、リーガンが不可解な言動をとるようになる。
始めは病気かと思っていたクリスだったが、服薬しても落ち着くどころか荒々しく、そして醜くなっていく娘に恐怖を覚える。ついには医者からも見放され、藁をもつかむ思いで神父のカラスに悪魔払いを依頼する。
悪魔憑きに否定的なカラスであったが、調査を進めていくうちにリーガンの症状の異常さを知り、大司教に許可を求めて悪魔払いを決行するのだが……。
荒唐無稽でなくリアリティのあるストーリー展開
古い映画だから話もメチャクチャなのかな~という勝手な先入観を持って観たが、良い意味で期待を裏切られた。作品全体に漂うシリアスな雰囲気は最後まで崩れることなく、少女の不気味な演技に、どんどん話に引き込まれていく。
なにより、安易に「これは悪魔の仕業だ!」などと登場人物に叫ばせることなく、現実的な論理展開でエクソシストと悪魔の対決に持って行く構成が素晴らしい。リアリティがある展開だからこそ最後の戦いも陳腐にならないし、息を呑むような臨場感を、違和感なく感じることができる。
演出はややチープだが、それも味の一つ
悪魔の顔を暗転時にパッと映す演出などはややチープさも感じるが、古典的ホラー映画の手法を観察できるような気持にもなれるので、味がある演出とも言える。
CGを使わずに作り上げられたひとつひとつのメイクや小道具、怪奇現象は、派手さは無いものの映画の不気味さを増幅している。
グロテスクでショッキングな表現が大丈夫な人にはオススメ
一部、血がほとばしったり緑の体液が吐きかけられたりと、グロテスクだったりショッキングだったりする表現が使われている。そういった表現が苦手な人にはちょっとツラいかもしれないが、耐性がある人には「古い映画だから……。」と食わず嫌いせずに、ぜひ見て欲しい。
最近のホラー映画には無い恐怖が体験できるはず。