【映画感想】アメリカへの愛のある批判 – 「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ Where to Invade Next(2015)」

投稿日:2019年2月26日
最終更新日:2021年3月14日

満足度: 7点/10点満点 ★★★★★★★☆☆☆

あらすじ

ベトナムやアフガニスタンなど、最近のアメリカの侵略戦争は失敗続き。米国防総省の幹部は、ある男に対策を相談する。その男は、なんと政府の天敵である映画監督のマイケル・ムーアであった。ムーアは“侵略者”となりヨーロッパ各国へ侵略して、良いところを根こそぎアメリカに持ち帰ることに。しかし、各国にはアメリカが度肝を抜かす、先進的な世界が待ち受けていた……。

※注意:米国防総省うんぬんは空想の設定です。本当はマイケル・ムーアが勝手にやってます。

 

ヨーロッパに学ぶドキュメンタリー映画

簡単に言えば、マイケル・ムーアがヨーロッパ各国を訪れ、先進的な制度や文化を紹介するという内容のドキュメンタリー映画。イタリアの生産性の高さや、北欧の高度な教育スタイルなど、日本人が見ても勉強になる部分が多くあり、アメリカ人でなくても感心できる内容だった。

だた批判したいだけでなく、ヨーロッパも多くのことをアメリカから学んできた事実や、アメリカが他国を侵略するという映画の撮り方に、良くも悪くもアメリカ人であるというプライドを感じた。とりあえず批判しとけみたいな映画は好きではないが、信念を持ったうえでの愛のある批判は観ていても不快にはならない。

 

何かを変えるには、ただハンマーで壊せ

印象的だったのは、終盤に登場した、ベルリンの壁崩壊にかかわった男性の言葉。はじめは数人でベルリンの壁をノミとハンマーで壊し始めたところ、だんだんと人が増えてきて、大きなムーブメントに発展した結果、ベルリンの壁は崩壊した。ざっくりいうと「何かを変えるには、ただハンマーをもって壊せ」という内容だが、何かを変えたければまず始めろ、不可能なことはない、というメッセージになっており、映画の最後をきっちり締めている。

ただ、侵略どうこうのストーリーが少しわかりづらいというか、無理やりこじつけた感が出ているので、もっと良い名目で紹介できないものか、と思う。あとどうでもいいことだけど、邦題が少し昭和っぽくてダサい気もする。

 

マイケル・ムーアなりのアメリカ愛

ある意味でNHKの教養番組のような内容なので、好みはわかるかもしれないが、ヨーロッパ諸国の労働環境や教育環境に興味がある人には、大いに勉強になる内容だと思う。マイケル・ムーアのアメリカ愛を感じるドキュメンタリー映画だった。

 


投稿者: wakky

映画と旅行が大好きなエンジニア。お酒、ゲーム、読書も好き。

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