満足度: 8点/10点満点 ★★★★★★★★☆☆
(※結末についてネタバレはありませんが、映画内のいくつかのシーンについて触れてます)
あらすじ
インド北部にある高峰・メルー。標高約6,250mを誇る中央峰は、その険しい岸壁で、数多のクライマーたちを退けてきた。そのメルーに挑んだ3人の男たちのドキュメンタリー。
感想
まず舞台であるメルーという山の厳しさ以上に、クライマーたちの情熱がすごい。断崖絶壁を一日中登り、寝る時も崖にテントを吊るして、その中で3人が身を寄せ合って寝ている。そして天候が悪化すればテントの中で数日間を過ごしたり、わずかな食料を分け合ったりしながら、ひたすら頂上を目指していく。
正直なところ、私はあまり本格的な登山もしたことはないし、崖を登りたいと思ったこともないので、なぜそんな危険なことに何度も挑戦するのかは理解できない。だが、ひたすらに未踏の頂上を目指す男たちの姿をみていると、なんだか心が熱くなった。それは自分の気持ちに言い訳せず、家族に反対されてでも自分の信念を貫き通す「生きざま」を強く感じたからだと思う。私を含め、日常生活の中で周りに流されがちな人々に対して「やりたいことをやれ!俺たちを見ろ!」と喝を入れられているようにも感じた。
映画として観てもちゃんとオチが付いてるし、山を登りながら撮影された映像も臨場感がある。それぞれの登場人物のバックボーンも丁寧かつドラマティックに描かれているので、感情移入もできる。私がもう少し登山に興味があれば、もっと楽しめたかもなぁとも思うが、それでも十分面白かったし、エンターテイメントとしてもしっかり成立しているドキュメンタリー映画だった。