満足度: 8点/10点満点 ★★★★★★★★☆☆
(※結末についてネタバレはありませんが、映画内のいくつかのシーンについて触れてます)
あらすじ
医療技師を務めるライアン・ストーン博士は、スペースミッションに初めて参加した。彼女が宇宙空間での船外活動を行っている際、ロシアの衛星の爆発により大量の宇宙ゴミの直撃を受ける。この事故によりスペースシャトルは大破、ライアンも宇宙空間に投げ出されてしまう。果たして無事に地球に帰還することはできるのだろうか?
感想
宇宙の静かさ、美しさ、冷たさを淡々と描いているのが印象的。ど派手なSF映画とは対極をなす内容だけど、個人的には静かな雰囲気で淡々と進む映画は好き。ストーリーが面白いことが前提だけど。90分と映画の時間が短めなので、テンポよく進んでいくのも良い。
Amazonのレビューだと、主人公がドジでイラつくという意見もちょくちょく見たが、そうでもなかった。スペースミッションは初めての医者という設定だし、極限状態で一人だったらあんなものじゃなかろうか。
印象的なシーンも多々ある。地球との交信がたまたま通じて、犬と赤ん坊の声がするシーンは、なんとなく胸にじ~んと来た。宇宙はとても遠くて、そこから感じる地球には国境は無いんだなと。
ラストも素晴らしく、作品全体の無重力の描写とのコントラストで、とても印象的なシーンになっている。水に潜るとBGMが止む演出も面白かった。
ただ、基本的には宇宙空間でデブリが飛んできたり逃げたりの繰り返しなので、少し映像的に見飽きる感覚はあった。もうひとつ納得いかないのが邦題の「ゼロ・グラビティ」というタイトル。ラストを考えたら原題の「グラビティ」のままにするべきだろうと。まぁゼロ・グラビティの方がわかりやすいっていうのはわかるけどね。
派手なSF映画が好きな人には微妙な映画かもしれないが、静かで優しい雰囲気の映画が好きな人にはハマると思う。宇宙映画好きにもオススメしたい。