満足度: 5点/10点満点 ★★★★★☆☆☆☆☆
(※結末についてネタバレはありませんが、映画内のいくつかのシーンについて触れてます)
あらすじ
遣唐使として唐に渡った若き修行僧の空海は、皇帝の不可解な死に立ち会う。
ただならぬ気配を感じ、詩人である白楽天とともに事件の真相究明に乗り出した空海。様々な怪奇現象をくぐりぬけた末に、二人は一匹の黒猫と楊貴妃の死をめぐる悲劇を知る。
感想
まず、舞台となる長安の美しい街並みに圧倒される。CGをバリバリ使っているが、豪華絢爛な都の雰囲気に派手なCGが良く合う。劇中に出てくる妖術は非現実的だが、この舞台なら実際に起こってもおかしくないかも、と思わせるような雰囲気がある。
空海と白楽天のコンビの掛け合いはユニークだし、息が合っていて安心感がある。ときおり会話の内容がよくわからないこともあるが、セリフ回しに中国的なセンスを感じられて面白い。
登場人物は多いが、どのキャストも個性があって「これ誰だっけ?」という風に思うことも無かった。ただ、邦題の「空海」と映画の内容が乖離しているのが気になった。確かに主人公的なポジションにはいるんだけど、内容はあくまでも黒猫とそれにまつわる悲劇が中心となっている。
特に後半の回想メインのシーンでは、空海は完全に空気状態・・・笑中国語と英語のタイトルはそれぞれ「妖猫伝」「Legend of Demon Cat」となっているが、こちらの方が内容にあっている。日本での集客を考えてのタイトルだと思うが、ポスターもチープなのが気になる。
あと、観に行った劇場では吹き替え版しか上映してなかったから吹き替え版を観たんだけど……。空海役の染谷将太君の滑舌がかなり悪い。他の映画で観た時にはそこまで気にならなかったけどなぁ。アテレコ慣れしてないせいだろうか?
声優の山ちゃんこと、山寺宏一さんが吹き替えているキャラとの会話シーンでは特に滑舌の悪さが目立つ。他には特に不満はないけど、すごく良い映画だったかと言われると正直微妙。CGを使った映像は豪華なんだけどメリハリがあまりなく、映画が終わる時には少し食傷状態だった。テンポも少し悪くて、中盤ダレたことも微妙だと感じた原因かも。
色々文句も言ったが、中国ファンタジーが好きな人は楽しめる映画だと思う。