満足度: 5点/10点満点 ★★★★★☆☆☆☆☆
(※結末についてネタバレはありませんが、映画内のいくつかのシーンについて触れてます)
あらすじ
人間の労働力として多くのロボットが活躍する未来。人間と同じ愛情を持つ少年型ロボット・デイビッドは、彼を製作したロボット製造会社の社員、ヘンリーとその妻モニカの元で幸せに過ごしていた。しかし、病により眠っていた夫婦の実の息子・マーティンが奇蹟的に目覚めたことで、デイビッドの居場所は無くなり、やがて森に捨てられてしまう。デイビッドは、再び母に愛されることを目的に友達の玩具ロボットのテディ、森で出会った大人向けロボットのジゴロ・ジョーと供に旅に出るのであった。
感想
自動車や家のデザインは未来っぽいけど、現実感を損なわない程度に抑えられている印象。すごく遠くの未来というより、近未来を意識してつくった感じで、自分の好みの世界観。まだ可愛かったころのハーレイ・ジョエル・オスメントが懐かしい。微妙にロボットっぽい演技が秀逸。
全体的に、安直なSFじゃなくて「AIが発達したらこういうこともありうるよね」というビジョンのもとに作られてる感がある。”大人向け”のロボットとかも出てきて、ストーリーに広がりがあるのは良いと思う。デイビッドが危なくなったとき、人間の良心で助けられるシーンは印象的だった。あと、ほうれん草を食べて、体内で詰まるシーンはなかなかユニークで面白い。
ただ個人的に好みとして、純粋な主人公が可哀想な扱いを受ける映画って少し苦手。シザーハンズとかもそうだけど。なんか耳を塞ぎたくなるような感覚を持ってしまって観てられなくなるんだよなぁ。映画は楽しく観たいので、あんまりそういう気分になりたくないっていうのもある。また、後半は少しファンタジーに寄って子供向けっぽい雰囲気があったけど、多少アダルトな描写もある映画だし、いまいちどういう観客層を意識しているかわからなかった。
それから映画の時間が2時間半あるけど、ブルーフェアリーを探し始めたあたりからが長くて、少しダレてしまった。ラストも前半の現実的な雰囲気からかなり離れていて、なんとなく統一感がないように感じる。前半で描かれた子供ロボットを持つ両親の葛藤みたいな、人間とロボットが関係を持つうえでの感情の複雑さをもっと掘り下げた方が、より内容が深まったのではないか?と思った。