満足度: 4点/10点満点 ★★★★☆☆☆☆☆☆
(※結末についてネタバレはありませんが、映画内のいくつかのシーンについて触れてます)
あらすじ
とある男が、ヨットで気ままに一人の航海を楽しんでいた。しかし大自然の驚異にさらされ、インド洋で遭難してしまう。たった一人で孤独や命の危険との闘いを強いられるなか、果たして彼は生還できるのだろうか?
感想
しょっぱなからヨットに穴があくシーンが印象的。最初に印象的なシーンを持ってくる演出は個人的には好きだが、作り手としては結構難しいと思う。どうしてもその後のシーンの印象が薄れがちになる気がするので。
遭難した主人公意外に登場人物はいないし、セリフもほとんどなく、海上で遭難したまま淡々と話が進んでいく。こういう構成は新鮮ではあったが、基本的には舞台もずっと海の上なので、派手な映画が好きな人は少し飽きるかも。エンターテイメント性を狙った映画ではなさそうなので、メッセージ性が強い映画なんだとは思うが、正直私には何を伝えたいのかよくわからず。極限状態で生きようとする人間を通して、人生の意味を考えるって感じか?個人的にはヨットで旅に出る感覚がわからないし、主人公が何者かもいまいちわからないのであまり共感できず。
あと細かいことだが、全然髭伸びないのはおかしくないかと。さすがに一週間たてば多少伸びるだろうし、死ぬか生きるかの瀬戸際で髭そらないよなぁ。顎だけ永久脱毛してた?もともと髭が薄い体質?などと雑念がまざってしまった。この作品は繊細な心理描写が大事な映画だと思うが、だからこそ細部までこだわって欲しかったなと思う。あとラストシーンの内容的に、邦題の「~最後の手紙~」っていうのはちょっとタイトル詐欺ではないかと。
色々と文句をつけたが、追い詰められていく人間の心境を演じたロバート・レッドフォードの演技は素晴らしかった。一人で2時間近い映画をストーリーにそって演じぬくのは、なかなか大変なことではないかと思う。ただ、映画としてはイマイチ私とは噛み合わなかったので、満足度低め。