満足度: 7点/10点満点 ★★★★★★★☆☆☆
(※結末についてネタバレはありませんが、映画内のいくつかのシーンについて触れてます)
あらすじ
鎌倉に住む作家の一色正和と結婚した亜希子。ともに鎌倉に住み始めるが、鎌倉は幽霊や魔物と人間が共存する不思議な街だった。様々な出来事が起こるなかでも、楽しく夫婦生活を送る二人。しかし、ある日亜希子の身に大事件が起きる……。
感想
幽霊や魔物の造形は、不気味さのなかにも愛嬌があって魅力的。CGも綺麗なので、鎌倉の雰囲気は非常に幻想的。私は鎌倉が好きなので何度も言っているが、見慣れた街並みも出てきて、本当に鎌倉に魔物が住んでいるように錯覚する。
亜希子役の高畑充希の演技は少しぶりっ子っぽいが、男性ならたいていの人が「可愛い……」と感じると思う。他のキャストの演技も悪くない。
ただ、私は予告編を観て、てっきり「千と千尋の神隠し」のような世界観で大冒険を繰り広げる映画かと思っていたが、実際には魔物が暮らす鎌倉を舞台にした夫婦の生活を描く、いわゆる「日常系」のような映画だった。
その勘違いのためか、中盤は非常にテンポが悪く感じてしまった。後半の黄泉の国に言ってからの展開は素晴らしく、CGの美しさに圧倒されただけに、中盤のダルさが残念だった。個人的には、映画の時間を90程度に縮めて、途中の編集者の本田さんのエピソードは削っても良かった気がする。あそこは伏線にも絡まないし。
ラストは綺麗にまとまっているが、なによりエンドロールでの伏線回収が素晴らしい。宇多田ヒカルの主題歌も映画のイメージにぴったり。終わり方が良かっただけに、中盤の内容が悔やまれる「惜しい」映画だった。