満足度: 8点/10点満点 ★★★★★★★★☆☆
(※結末についてネタバレはありませんが、映画内のいくつかのシーンについて触れてます)
あらすじ
インセプション、インターステラーなどでおなじみの、クリストファー・ノーラン監督の最新作。第二次世界大戦下、イギリス、ベルギー、カナダ、フランスから成る連合軍兵は、ダンケルク海岸でドイツ軍に包囲されていた。戦況は劣勢。連合軍は撤退を余儀なくされるが、敵空軍の攻撃にさらされ、駆逐艦による兵士の救助は難航する。
そんななか、小型船の徴用の命を国より受けた民間人のドーソンは、息子たちと共に母国の兵士を救うため、イギリスからダンケルクに向けて出港する。一方、英国陸軍兵士・トミーは、砂浜で出会ったギブソンという男とダンケルクからの脱出を模索するが……。
感想
複数の登場人物の目線で話が切り替わっていく、群像劇になっている。群像劇って下手すると視聴者が話についていけない、ってことにもなりかねないので、監督の力量が試される気がする。ノーラン監督の映画だと、インセプションを最初観た時に話を追いきれなかった思い出がある(笑)
今回も少しついていけるか不安だったが、今作は映画が始まってすぐに話に引き込まれた。実話をもとにした話だし、ストーリーがシンプルだったからかな?寒々とした砂浜での絶望感と、敵襲の緊張感が絡み合い、リアルでシリアスな戦争の雰囲気がひしひしと伝わる。
対岸に母国が見えるのに戻れない兵士たちのもどかしさや、苛立ちもうまく表現されている。民間船のダンケルクへの到着や、最後に活躍した戦闘機の結末など、印象的なシーンも多い。
少し冷たい作品の雰囲気が私の好みにも合っていたので、非常に満足できる映画だった。特に不満はないけど、強いてあげるならば映画の舞台が基本的に空、海、砂浜の3パターンの繰り返しのため、人によっては退屈に感じるかも。ただ、戦争映画だけどあまり過激な表現はなく、グロい映画が苦手な人でも安心して観られそう。
映画の長さは100分程度と短めだけど、重い雰囲気の映画なので、ちょうど良い時間だと思った。結末を知ったうえで改めて観ると新しい発見がありそうな映画なので、またAmazonなどで配信されたら、再度観てみたい。