満足度: 8点/10点満点 ★★★★★★★★☆☆
(※結末についてネタバレはありませんが、映画内のいくつかのシーンについて触れてます)
あらすじ
動物たちが肉食・草食関わらず共存して暮らす街・ズートピアに、ウサギとして初の警官であるジュディ・ホップスが配属された。肉食動物ばかりが行方不明になる不可解な事件を解決するため、詐欺師のキツネ・ニックの弱みを握り、捜査に協力させる。徐々に真相に近づくジュディだったが、やがて事件は街全体を巻き込んだ大問題に発展する。
感想
色々と深い内容が含まれていると聞き、レンタルして観てみた。草食動物と肉食動物の関係性に、人種差別のメタファーが含まれているみたい。アメリカの人口比率的には草食動物が白人で、肉食動物が有色人種かな~という雰囲気はあるけど、はっきりと対応付けする表現がされているわけではない。そのあたりは、つくる側もかなり気を使ってそう。
あとあと考えると、職業に関する偏見も含まれているのかなとも思ったりして「深い内容」と言われる意味がわかった。映画本筋もテンポが良くて飽きない展開だったけど、個人的に印象的だったのは、マフィアのボスが出てくるシーンがゴッドファーザーのパロディになっていたところ。ギャングのボスが完全にマーロン・ブランドだったところで既に笑ったけど、娘の結婚式のくだりで大爆笑だった。ミスター・ビッグという名前からガタイのいい動物だと思わせておいて……という流れもベタだけど思わず笑ってしまう。
あと主人公のジュディがガッツがあって努力を惜しまない、好きなタイプのキャラクターだったのも良かった。最初から超人的な能力を持った主人公が大活躍する!みたいな映画も嫌いじゃないけど、あんまりそういう主人公には共感できないので、個人的には惹かれない。
ただ、細かいけど一点だけ引っかかったのが、肉食動物と草食動物が共存しているのはわかったけど、肉食動物は何食べて生きてるの?ということ。草食動物が肉食動物に食べられていた過去に触れているし、ストーリーの内容にも深く関係あるから、その点はもう少しうまく説明する描写があっても良いかもなぁと。アイスやらパイやら食べる描写はあるけど、そればっかり食べるわけではないだろうし。
とはいえ、ラストも意外な展開で驚きもあったし、ディズニーの映画らしく結末も綺麗にまとまっている。ディズニーのアニメ映画は本当にストーリーがよく練られていて、子供も大人も楽しめる。何回観ても新しい発見がありそうだし、観る視点によって色々と考察が膨らみそうな映画。