満足度: 9点/10点満点 ★★★★★★★★★☆
あらすじ
1944年、18歳のすずは生まれ育った広島から呉に嫁ぐ。第二次戦争中で食料も減っていくなか、持ち前の前向きな性格で日常を乗り切っていた。しかし激しい空襲で、大切なものを次々と失っていく。そして広島への原爆投下と終戦。それでもすずは前を向いて生きていく。
レビュー
※結末についてハッキリとしたネタバレはありませんが、映画の展開やシーンについて触れています
前半のほのぼの雰囲気からの直滑降……
国際線の飛行機の中で観たけど、何度も泣きそうになった。っていうか泣いた。
前半はほのぼのとしていて、いわゆる日常系アニメのようなのんびりした時間が続いていく。食料が少なくなって切り詰めていくときも、野草を使ったレシピや、お米を膨らませたりする技術が次々と出てくるし、当時の闇市の雰囲気もわかって面白い。その分、後半のシリアスなシーンでの悲惨さが強調され、だんだん胸が苦しくなってくる。
終盤のすずのセリフに涙腺崩壊
特に、終戦を聞いた時のすずのセリフは胸にグッとくるものがあり、何とか耐えていた私の涙腺が崩壊した。観ているときにちょうど飛行機が消灯していたので、他の人に涙を見られなくなって良かった。飛行機で、隣で映画見てるおっさんが急に泣き出したらホラーだよね。今までのおっとりしていたすずの口から出た激しいセリフだったからこそ、心動かされたんだとと思う。
内容的には暗い部分もあるし、人によっては気持ちが沈んでしまうかもしれないが、終わり方は前向きだったのが救い。戦争映画というより、人の前向きな気持ちをまっすぐに描くことを主題にした、深い映画だと思った。