満足度: 6点/10点満点 ★★★★★★☆☆☆☆
(※結末についてネタバレはありませんが、映画内のいくつかのシーンについて触れてます)
あらすじ
第二次世界大戦時、ドイツによるユダヤ人の大量虐殺が進むなか、ドイツ人実業家オスカー・シンドラーが1100人以上ものユダヤ人の収容所送りを阻止し、命を救った実話を描く。
感想
白黒の映画なのでかなり古い映画化と勝手に勘違いしてたが、90年代の映画だったとは。出てくる女性の髪形とか化粧は、あまり違和感なかった。カラーと白黒混合の映画は、私は初めて観たので新鮮だった。最初のシーンにカラーを持ってくることで、白黒でも、古臭さを感じないようになっている気がする。
全編を通してのナチスの非道な振る舞いは目を覆いたくなる。それを淡々と実行していく様子が、狂気を増幅させているように思える。ユダヤ人の病院で今まで看病していた患者がいとも簡単に射殺されるカットや、怪我をした妻を病院に行かせて欲しいと懇願した後、何のためらいもなく射殺されてしまうカットはグッと来るものがあった。
映像としては、途中で一部分だけカラーをつける効果が非常に印象的だった。小さな女の子の服とロウソクのシーン。長い映画の中にこういうカットが入っているとハッとするのでいいアクセントになる。
内容は重たく、時間も3時間あるのでなかなか気軽には観ることはできないかもしれないが、腰を据えて観る価値はある。ただエンタメ嗜好の私にとってはちょっと重過ぎる映画だったかも……。
シンドラー氏については史実を調べると色々と複雑なストーリーがあるので、調べてみるとこの映画をまた違った目線で観ることができると思う。
ところで白黒に一部カラーをつける演出を最初にやった映画ってなんだろうか。調べたなかだと黒澤明の「天国と地獄」が1963年で結構古そうだったけど、もっと古いものもあるのかな。