満足度: 7点/10点満点 ★★★★★★★☆☆☆
(※結末についてネタバレはありませんが、映画内のいくつかのシーンについて触れてます)
あらすじ
ある日タイでひっそりと暮らしていたランボーのもとにNGO団体が訪れ、ミャンマーまでの案内を依頼する。最初は断ったランボーだったが、軍事政権に残酷な仕打ちを受けているカレン族を支援したいというNGOのサラの熱意に打たれ、彼らをミャンマーまで送り届ける。しかし数日後、軍事政権にサラ達がとらわれたことを知る。ランボーは、アメリカの傭兵とともに、彼らを救い出すために再びミャンマーに潜入する。
感想
ランボーシリーズの最終作だが、前作までのランボーとは別物と考えたほうが良い。まず、描写のグロさが今までと比べ物にならない。冒頭から実写でかなり過酷で生々しい映像が写し出される。人の亡骸も普通に映っている。つくりものではなく、実際の映像らしい。
その分、今回のランボーは、前3作よりも強いメッセージ性があるように感じる。今までのランボーだったら単身で乗り込んで全滅させそうなもんだが、今回は傭兵と一緒に戦う。さすがにスタローンも歳だし、体力的に一人で戦うという脚本はきつかったのかも。ただ、チームで戦うことで今までのような「ランボー強すぎ感」が薄れ、比較的リアリティがある話になっていると思う。
ランボー単体の活躍という意味では前作までよりは薄れているが、戦闘シーンの派手さは健在で、見ていて飽きない。しかし手とか足とか吹っ飛ぶので結構グロい。途中、過去のシリーズのカットが回想として入る。シリーズの集大成だということを強調する演出だと思うが、素直にかっこいいと思った。
ただ、ラストシーンがいまいち納得できない。ちらっとアメリカでのランボーの過去に触れるシーンはあったが、あのラストシーンに繋がるような強い動機を伺うことはできなかったので、とりあえず綺麗に終わらせた、という印象が残る。
とはいえ、今までのランボーよりもシリアスでメッセージ性が強い映画になっており、平凡なアクション映画とは一線を画している。今までのランボーシリーズのシュールさや、やりすぎ感を期待していると少し肩透かしを食らうかもしれないが、良作のアクション映画だと感じた。